先日、認定NPO法人国連WFP協会の事務局長をはじめ職員の方々が、遺贈寄付手続きの御礼にと弊社をご訪問くださいました。
国連WFP協会は、飢餓と貧困の撲滅を使命とするWFP国連世界食糧計画(国連WFP)を支援する認定NPO法人で、日本における国連WFPの民間からの公式支援窓口です。個人や企業からの国連WFPへの寄付を募っています。
国連WFP協会とのご縁は、昨年の夏、80代の女性T様からのご相談がきっかけでした。
T様は生涯独身で一人っ子だったため推定相続人はいません。そのため、このまま何もせずに亡くなると、最終的に遺産は全て国庫に帰属してしまいます。
国庫に帰属してしまうよりは、ご自身が希望する団体に寄付したいので遺言書を書いておきたいとのご相談でした。
遺贈寄付先を尋ねると、「WFP国連世界食糧計画」と書かれたメモを出し、「長年大学病院で管理栄養士をしていたので食の重要性はよく理解しています。だから、飢餓と貧困の撲滅を使命とする国連WFPの活動にぜひ遺産を使ってもらいたい。」
そう遺贈寄付への思いを語ってくださいました。
末期がんにより余命わずかとのことで、至急国連WFP協会に連絡を取り何度か打ち合わせを行い、入院先の病院にて無事公正証書遺言を作成することができました。
残念ながら遺言書を作成して3か月後に亡くなられましたが、T様の遺産は、遺言に基づき私共が執行者として手続きを行い、国連WFP協会へご希望通り引き継ぐことができました。
遺贈寄付とは、人生で使わずに残ったお金を社会課題の解決のために死後寄付する方法です。
昨今、おひとり様の増加や震災等による社会貢献意識の高まりにより、遺贈寄付件数は年々増加しています。また、寄付金額に決まりはなく、1万円からでも寄付は可能です。
自分がこの世を去った後、最後に残った財産を使って社会へ恩返しをする。それが遺贈寄付なのです。
T様の亡くなった後、彼女の遺志と遺産は国連WFPに引き継がれ、今多くの命が救われていることでしょう。T様の最後のお金の使い方として、この遺贈寄付手続きに執行者として関われたことは大変光栄でした。
今後も遺言書を作る専門家として、誰もが遺贈寄付を無理なく選択できるよう、その普及に取り組んでまいりたいと思っております。
最後になりましたが、国連WFP協会の皆さま、長期にわたり遺言執行手続きにご協力頂き誠にありがとうございました。
そしてT様、司法書士法人ファミリアに手続きをご依頼頂き心より御礼申し上げると共に、ここに謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
司法書士法人ファミリア
司法書士 山下由子
国連WFPについて詳細は以下のサイトをご覧ください
WFP国連世界食糧計画(国連WFP)